2008 -04-03 ( Thu )
商売のコツを教えてくれる一冊の「絵本」
かこさとしの「からすのパンやさん」と言えば、30〜40代には伝説的な絵本です。
娯楽色の強いストーリーと、異常にうまそうな照りのパン。
私も、最初の2ページを暗証できるほど大好きです。

- からすのパンやさん
- 加古 里子
- おすすめ平均

どこかにないかな?こんなパン屋さん
おいしそうなパンが、いっぱい
パン作り粘土細工みたいに
よく読む本
子供たちが大ファン
by G-Tools , 2008/04/03
で、この本。子供向けのはずなのに、今内容を反芻してみると商売を進める上で大切なノウハウみたいなものが沢山隠されていたりして、大人が読んでも実に面白いのです。
夢がないテーマな上にネタバレになってしまいますが、まとめてみます。
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試食してもらう
お話は、からすのパン屋夫婦に四つ子ちゃんが産まれるところからはじまります。
四人も子供がいると子育てに追われ、お店に手が回りません。お店は貧乏になっていきます…;;
貧乏なので、焼きすぎたり変な形になったパンを子供たちにおやつとして食べさせていたのですが、これが何故か近所の子供たちにウケます。
「普通のお店で売っていない形と味」だったからです。
子供たちはお父さんお母さんのお店の宣伝をしつつ、パンを友達にも食べさせてあげます。
で、友達の「もっと変わったパンを沢山作って欲しいな」という「要望」を持ち帰るのです。
種類を増やす
両親は子供たちに協力してもらい、商品を個性的にリニューアルします。
「いちごぱん」とか「かめぱん」とか「コップぱん」とか「おそなえぱん」とか「はぶらしパン」とか「さざえパン」とか。その数実に80種類以上(笑)
直接の描写は出てこないのですが、このバリエーションが後半の大繁盛のきっかけになるのは確かです。
バイラル効果を招く
全くの偶然なのですが、パンを大量に焼いたため、その煙を見た慌て者のご近所さんが
「くろもじ三丁目が火事になった」と通報してしまいます。
それが何故か「ギャングが襲ってきた」「けが人が出た」とどんどん尾ひれが付き、消防隊に警察の機動隊、医者にテレビ局にやじうま(全部からす)が大量に集まってくるのです。
まさにバイラル効果だし(笑)
このときの、集まってくるからすたちの絵が詳細で、心に残る名場面だったりします。
効率の良い客の誘導と差別化
当たり前ですが、お店は大混乱になります。
そこへお父さんが機転を利かせ、次のようにお客様を誘導するのです。
- 購入できるパンの個数を、三個に制限する
- 子供たちにちなんだ、四色の大きな風車を建てる
- 買いたいパンの個数によって、各風車の前に一列に並んでもらう
- パンを買わずに見物に来たお客様には、四つ目の列に並んでもらう
結果として、四つ目の「見物用」の風車には、誰も並びませんでした。
パンがおいしそうだったのか、はたまたばつが悪かったのか。
後者の理由だったとしたら、「購入者と一見さんの差別化」が見事に当たったことになります。
こうして、からすのパン屋さんは人気店になりました。
お客様を誘導するときに立てた、風車が空を飛んでいるときでも見えて、いい目印になってくれるようです。
また、本編とは別なのですが、この絵本自体もとてもうまくできています。
けっこう長文なのに文章のリズムがよく、文字の配置、パンやからすたちの描き方(数十羽ものカラスが全て違う外見をしている)など、子供が飽きずに最後まで読めるよう工夫されているよなあと、今更ながら思います。
本屋さんで見かけたら、手にとってみてはいかがでしょうか。
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Comment
Re:商売のコツを教えてくれる一冊の「絵本」
「だるまちゃんシリーズ」と、「とこちゃんはどこ」は本棚にありましたが、「からすのパンやさん」はなかった…がっくり。
読みたくなってしまったので、明日本屋さんまでお散歩してきます。
Re:商売のコツを教えてくれる一冊の「絵本」
Amazonのリンクを貼ってはいますが、絵本は手に取って読んだ方がいいです^^
今も装丁が変わってないんですね。
私は「だるまちゃん」「とこちゃん」は読んでないんですが、実家には「とんぼのうんどうかい」「あかいありとくろいあり」がありますよ。
ありんこがキャラメルを運ぶときの歌がツボですねー
♪かつぐにらくで たべるにたくさん♪
♪かるくておもいが いちばんいいぞ♪